夢なら

 

 

正しくなくてもいいから、

「お前は居てもいい」

って証明してほしかった。

 

希死念慮に苛まれたまま、

いつからか続いてる日常を引き摺りながら、

消えない傷は増えてゆくばかり。

 

どうしてこんなことになったんだろう。

 

あんなに仲良かったのに、

楽しく笑い合えたのに。

こうなるなら、

そんな思い出なんていらなかった。

 

勉強も運動も、人並みには出来る。

 

できるのが駄目だったのかな。

人と話すのが下手だから駄目だったのかな。

一人で居ても平気だから駄目だったのかな。

 

ぐるぐると思考を巡らせては止まらない。

 

どうして。どうして。どうして。

そればかりじゃ、意味無いこと知っている。

 

少しでも前に進まないと変わらない。

でも、進む勇気がない。

少しでも誰かに聞いてもらいたい。

でも、気付かれたくない。

 矛盾した感情。

 

全部嘘だって言ってくれよ。

机の中に入れられてた紙も、

ノートに書かれた落書きも、

耳元で囁かれた言葉も、

通りすがりにぶつかられたことも、

あの人が殴ったことも、

全部嘘ならよかったのに。

ある朝目が覚めたら、

全部夢だったってオチでいいよ。

 

なのに。

 

現実は変わらない。

 

朝、目が覚めて、服を着替えて、

不似合いな太陽に照らされながら向かう先。

挨拶をして、階段を上る。

見える光景は変わらない。

 

同じような服を着て、同じ方向を向いて、

同じような体勢で、同じ授業を受ける。

当たり前のことだけど、思えば異常な空間。

 

ねぇ、僕はどうすればよかったのですか。

 

もし、誰かみたいに上手く話せたら、

もし、誰かみたいに上手くかわせたら、

もし、多数派に無理やりでも入っていたら、

もし、産まれた形に逆らってなければ、

こんなことにはならなかったのですか。

 

上手く言葉を操れなくて話せないのも、

飛んできた尖った言葉をかわせないのも、

多数少数に関わらず自分の思う方を選ぶのも、

間違えた形で産まれてきたことも、

全ては、僕が悪いのですか。

全部、自分の我が儘ですか。

 

答えの無い問の答えが見つからないのは、

当たり前だろ。

それなのに馬鹿みたいだ。

3年前からこの頭の中で考えることは、

なにひとつ変わっていない。

 

なにもかもわからなくなった。

 

ってもう何回目だろう。