視界が歪み始めて在るわけもない時空の隙間を見る。 眩しすぎる光に包まれてそのまま飲み込まれていく。 存在そのものが無かったかのように僕は消える。 美しいものほど残酷で目に見えないものほど現実味がある。 『思い通りにいかないんだったら 君の最悪な…

朝起きたら指が腫れていた。 また記憶の無い間に暴れていたんだろうか。 べつにお腹が空いたわけじゃないけど、 なんでもいいから食べたくなった。 適当に食べたら適当に吐いて。 朝からそんなことをしていたら体は細くても顔はむくむばかり。 自分じゃない…

「軽々しく死にたいなんか言うな」 と、僕の年齢を聞いた誰かは言う。 「いくら足掻いても君は女なんだよ」 と、僕の性別を聞いた誰かは言う。 「ごめんなさい」 と、心から頭を下げる。 「死にたいなら死ね」 と、いじめてきたあいつが言っていた。 「その…

人は「痛み」を、 その痛みを越える「痛み」で紛らわせるらしい。 痛むものが見えないから目に見える傷にする。 それが唯一、自分を証明するものになる。 でも、本当に痛いのはきっと目に見えないもの。 いわゆる、心ってやつだ。 他人が傷つくくらいなら自…