卒業


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3月14日、僕は中学校を卒業した。

 

正直にいうと、辛いことのほうが多かった。

 

 

 

母は私立中学への受験を薦めていた。

でも、僕は断った。

 

「友達と離れたくない。」

 

今思えば、くだらない。

こんなことを思うのが間違っていた。

目に見えないものを迂闊に信じていた。

またねの言葉の後を待っていた。

 

小学校で仲良かった人たちは、

どんどん離れてった。

ううん、違う。

僕がついていけなかった。

 

みんなは成長していた。

どんどん友達を作り、

たくさんのグループができていった。

目の前で次々に変わってく全てに戸惑った。

ただ眺めていることしかできないような気がして何も出来なかった。

 

結局、

どこにも所属せず、一人になった。

みんなが離れてったんじゃなく、

自分が悪かったんだと思っている。

 

小学生の僕にはきっと想像もできないだろう。

 

一人で本を読んだり、寝たふりをして過ごす休み時間。

一人であるという気楽さは好きだった。

 

気付いたら、一人ではなく、独りになった。

 

単刀直入にいえば、

嫌がらせのようなものを受けた。

男女問わず毎日繰り返された。

 

学校なんか行きたくない。

そう思ったけど、

そんなことを口にする勇気などない。

 

部活でも上手くいかなかった。

楽そうだからというだけの理由で、

ギター部という名の軽音部に入り、

バンドを組んだが、形だけだった。

演奏する曲は多数決で決められる。

僕の意見はまったく反映されなかった。

それどころか否定された。

仕方がないことだったんだろう。

次第に行かなくなった。

辞めるタイミングも逃し、幽霊部員状態。

いつ引退したのかもわからない。

 

そんなこんなで居場所などなかった。

自分が悪かっただけだけど。

 

 

 

暗い話は一度止めようか。

 

 

いいこともあった。

最後の球技大会は楽しかった。

「おはよう」と言えば、

「おはよう」と返してくれる友達が居た。

信頼できる先生に出会えた。

 

先生の存在は大きかったです。

この文章も読んでいるかもしれない。

先生が居たから耐えれた。

親も知らないことまで知ってる。

たくさん迷惑や心配をかけてごめんなさい。

こういうことは直接言えばいいはずだけど、

どうも緊張して言えそうになかった。

感謝しかないです。

ありがとうございました。

もしよかったら、まだ見ててください。

僕は僕らしく頑張っていきますから。

 

 

 

僕はこの学校で3年間過ごせて、

幸せだったかわからない。

でも、

間違ってはないはずだ。

 

高校情報誌や時間割りが剥がされた後の、

空っぽな教室は、僕の心の中みたいだった。

机と椅子。最低限のものだけがある。

 

ほんのり残る思い出や憎しみは、

まだ浄化されないまま、

決まり悪そうに横たわっている。

 

この3年間でたくさんのものが崩れた。

そのぶん、いろんなものに触れた。

人間の醜さも優しさも、わかった。

 

 

人間は怖いと思う。

すぐに変わってしまうから。

そばにいてくれる人が、

明日もいる保証はない。

味方だと思ってた人が、

急に敵になってしまうこともある。

 

 

それでも、

ちゃんと生きて、

卒業して、

進学が決まって、

まだ怖いことだらけだけど、

前に進む。

 

 

最後に色んな人と話せて嬉しかった。

 

「終わりよければ全てよし」

なんて言葉は信じてないけど、

終わりはとても綺麗だったよ。

 

綺麗事みたいだけど、これでよかったんだ。

 

過去にとらわれすぎず、

未来にこだわりすぎず、

僕は今を生きる。

 

 

さようなら。

 

ありがとう。

 

 

 

 
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